【吉本大樹レースレポート スーパー耐久シリーズ第3戦(鈴鹿)】 06-07 June, 2009

【Result】
QF(Sat) : 2nd
Final(Sun) : 3rd(12pt)

【Report】

? 5ZIGEN NSX 優勝は逃すも今期2回目の表彰台を獲得 ?

【フリープラクティス】

前回SUGO戦では、後方から追い上げ優勝の可能性も見え始めたところでまさかのトラブルに泣いたTEAM 5ZIGEN NSX。今回の第3戦(鈴鹿)は、これまでより100Km長い500Kmレース。当然レース距離が延びればマシンのスピードはもとより、信頼性や戦略面もこれまで以上に重要となってくる。TEAM 5ZIGEN陣営はこの第3戦に照準を合わせ木曜日から走行を開始。ところがその木曜日は松浦選手がステアリングを握ったもののマシンにトラブル出てしまい、結局まともなテストをする事が出来ずにレースウィーク前の公式練習日となる金曜日を迎える事となった。

木曜日に出たトラブルはその日の走行終了後にすぐさま修復、気を取り直して迎えた金曜セッション1回目。この日の鈴鹿は朝から雨の降りしきるあいにくの空模様となり、ウェットコンディションの中まず最初にステアリングを握ったのは平中選手。ところが平中選手はヘビーウェットのコンディションの中、タイヤがロックしてしまう症状と激しいハイドロプレーニングによりセッション中2度にわたりデグナーコーナーでコースアウト。ここからTEAM 5ZIGEN陣営はマシンのフロント周りを更に機能させる方向の調整をマシンに施していく。するとこれが功を奏したか、このセッション後半と松浦選手がステアリングを握った2回目のセッションではまずまずのタイムをマーク。更に吉本もステアリングを握った3回目のセッションではセッティング変更を繰り返しマシンのパフォーマンスが更に向上、最終的には2番手に約3秒もの大差をつけてのトップタイムをマークしこの日の走行を終了した。

【公式予選】

明けて迎えた土曜日の公式予選。ところがこの日の鈴鹿は前日とは打って変わった晴天に包まれ、前日の公式練習では大差のトップタイムをマークしていた5ZIGEN NSXではあるものの、「ドライで昨日のマシン特性が生きてくる保証はないし楽観視はできない(吉本大樹)」と、気を引き締め直しての公式予選セッションとなった。迎えたAドライバー予選。すると平中選手はこのレースウィーク初めてのドライコンディションの中、トップのCar No.14(協新計測マイロード岡部自動車RX-7)、2番手のCar No.27(FINA ADVAN M3)には届かなかったものの、それに次ぐ3番手タイムとなる2'20”990をマーク。その後のBドライバー予選へと期待を繋いでいく。するとBドライバー予選でステアリングを握った松浦選手もこのセッション3番手となる2'19”932をマーク。ABドライバーの合算タイムでは総合2番手に着けると、その後のCドライバー予選で吉本が翌日の決勝を想定したセッティングで走行を行い、「仕上がりは上々」というコメントを残し公式予選を終える事となった。

【決勝(87Laps/500Km)】

そして迎えた決勝日。この日は最終コーナーから1コーナー寄りにかけて強い追い風が吹いていたものの、前日同様強い日差しが照りつける晴天に恵まれた鈴鹿サーキット。朝のフリープラクティスでは前日までのマシンの仕上がりを3ドライバーが確認。必勝を期すTEAM 5ZIGENは、スタートを松浦選手が担当、その後平中選手〜吉本大樹へと繋ぐ作戦を立て決勝スタートの時を待つ。そして迎えた注目の決勝スタート。ところが「最低でもポジションキープ」という課題を持って切ったこのスタートは、5ZIGEN NSXの出鼻をくじく展開となってしまう。松浦選手はスタート直後こそまずまずの動きを見せたものの、その後タイヤの内圧設定が合っていなかった事が影響し徐々にポジションを落としてしまう。これを見たチームは当初の予定を急遽変更、松浦選手を早めにピットに呼び戻すことを決断する。

21周目にステアリングを受けコースへと入った平中選手。ところがこの直後、まず最初の不運が5ZIGEN NSXを襲う。トラブルを抱えたマシンがヘアピンで大量のオイルを巻き、更にそれを知らせる「オイルフラッグ」が提示される前にヘアピンに差し掛かった平中選手はこのオイルに乗りスピン〜コースアウト。平中選手は何とかグラベルを走りコースに復帰したものの、その後同じ場所でオイルに乗ったマシンが次々と連続してスピン、数台のマシンがそのままグラベルにストップしてしまう。するとこのオイル除去のためコース上にはSC(セーフティーカー)が入る事となり、このタイミングでピットインを済ませたトップグループに対し早めにピットインをしていた5ZIGEN NSXは、この時点で約1周のビハインドを背負う事になってしまう。さらにこの不運に加え後のリスタートではドライバーとピット間でのやり取りが上手くいかず「スタート違反」の裁定を受けた5ZIGEN NSX。これによりドライブスルーのペナルティーを言い渡されてしまい、一気にトップ争いから脱落する事となってしまった。それでもその後平中選手は2分21秒台〜22秒台の好ペースで追い上げを開始、47周目には4番手にまで浮上、更にピットイン直前の56周目には3番手にまでポジションを取り戻し、ここで吉本とドライバーチェンジを行う。

3番手でステアリングを受け取った吉本大樹。その吉本はこの時点でトップ、2番手のマシンとは大きな差が出来てしまっていたものの、ここから最後の追い上げを期しハイペースで周回を重ねていく。そのペースは2番手のマシンを大きく上回っており、コンスタントに毎周2秒、時には4秒も速いラップタイムで猛然と差を詰めていく吉本には、「その後のペースと展開次第では2番手の背中を捉えるのでは・・・?」との期待も高まっていく。しかしピットストップのタイミングやペナルティーで失った大きすぎる差はこの追い上げを持ってしても詰めきる事は叶わず、最後はそのままのポジション、3位でチェッカーフラッグを受けることとなった。

様々な不運も重なり3位という結果でこの第3戦を終えたTEAM 5ZIGEN NSX。優勝を狙いこの鈴鹿に挑んだチームとしては「満足のいく結果」とはならなかったものの、レース展開の不運やペナルティー等を乗り越え掴み取った開幕戦以来の表彰台獲得によりポイントは追加。今後のチャンピオンシップ争いに向けて貴重な12ポイントを手に入れることとなった。

06-07 June, 2009 09' Super Taikyu Series Round_3 / Suzuka
Text : www.hiroki-yoshimoto.com
【Qualify Result】 http://www.so-net.ne.jp/s-taikyu/2009/round3/yosen.html
【Final Result】 http://www.so-net.ne.jp/s-taikyu/2009/round3/kesyo.html

【吉本大樹コメント】

今回は一足先の木曜日に松浦選手がドライブを行いセットを進めるはずでしたが、マイナートラブルで走行ができませんでした。

そして金曜日は雨。平中選手が最初に出ていった段階ではセッティングが驚くほどダメでしが、その後進めたセッティングが良い方向へと進み、ウエットの難しい状況では2番手以降に3秒の大差をつける事ができました。しかし、予選日、決勝日共にドライと分かっていたので楽観視はできませんでした。何よりドライで一度も走っていないのにいきなり予選。それでも今回は平中選手と松浦選手のアタックで途中セットを大幅にふったことで2番手になれ、Cドライバー予選では決勝をシュミレーションしたセッティングで走りました。

仕上がりは上々で、それを日曜日の朝3人で再度確認、決勝へ向けてはスタートで最低でもポジションキープという課題を持って挑んだのですが、タイヤの内圧設定が合わずタイムが伸びませんでした…。ここで全てのストラテジーが崩れてしまい、挙句の果てにセーフティーカーのタイミングの不運でまるまる一周損してしまい、勝負件は断たれました。

今回は絶対優勝!と全員気合いを入れていたので、3位表彰台ではありましたが本当に残念です。次回期待して下さい。

本日のレースクイーン

綾川ゆんまおあやかわゆんまお
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